["お願い"の対価に歯切れ悪かった理由。>>3:126
アレクシスとアリーセの痣に気付かなかった理由。>>4:159
自分のことを、普通の人間だと確信したような言葉。>>4:216
どれもこれも、ほんの僅かな、欠片のようなこと。
でも、白い紙は、黒を求めるように見る見るうちに黒を広げてゆく。
それはいつから、"黒い紙"と呼ぶようになるのだろう。
"約束"
その言葉>>3:126を口の中で噛みしめて、大きく、大きく詰めていた息を吐き出した。
……無性に泣きたくなった。
声を上げて、喚き散らして。
でもこんなときにも関わらず、涙は一滴も出やしない。
暴れ狂う負の感情を、殺すすべしかもたない自分は、内心を吐き出すことすら上手く出来ず。
ただ吐き出せるのは……吸った分の空気だけ。
嬉しい、楽しい、幸せ、ありがとう、そんなことなら、簡単に口に出せるのに……。
怖い、悲しい、辛い、苦しい、助けて……。
張り裂けそうな胸の中、無意識に唇を噛んだ。
……血の味も気にならない程に、きつく……**]