― 戦場 ―
[ 揮ったツヴァイヘンダーの切っ先は急上昇した竜には届かず、そのまま、彼は地に落下する ]
ぐあ…っきしょ!
[ 高度がさほどなかったおかげで、どうにか受け身は取る事が出来たが、元々、痛みを抱えた上に新たな傷を増やして動きは鈍い ]
……!
[ 見上げた先、竜の口がカッと開いて牙を見せると同時、白馬がその視界を遮るように、彼の前に駆け寄ってきた ]
ヒルデッ!危ない…退けっ!!
[ 竜のブレスを避ける暇も、受け止める力も無い。唯一使える手は一つ残っていたが、それを使えば後が無いうえに、周りの味方も巻き込みかねない ]