― 橋北側 ―[巨人の血走った目が竜を捉える。再度の咆哮を上げると、巨人はドラゴンめがけて、手当たり次第に近くのゴブリンを投げつけ始めた。一方、竜の炎で数十、あるいは数百の妖魔らが消し炭になり、その数倍のものたちが驚きおののいて逃げ出そうとする。しかし、大群の勢いが止まることはなかった。逃げ出そうとするものを呑みこみ踏み潰して前進する。さながら生きた雪崩の如く。]