僕が突っ走ったら止めて来るしこの前の偵察の後も説教食らったし、うるさいんだけど、――……嫌いじゃない。だから、[震える手でホルダーから短剣を1本抜き、刃先をマリエッタへと向ける]退いてくれないか。でないと、どうなっても知らないからな……![戦友《なかま》が捕まって心細い。その気持ちをぶつけたい、散らしたい、どうにかしたい。その気持ちにまだ、歯止めをかけていられるのは、目の前にいるのがマリエッタだから、なのだけれど。それも――いつ外れるかわかったものではない。ゆえに声は懇願の調子を帯びて辺りに響く]