やはり、静かな場所は良いな。 聊か地味な気もしたが、喧騒を忘れる。[その感想すら18歳にしては如何なのだと、突っ込みを貰えそうであるが、離さぬまま繋いだ掌を揺ら揺ら揺らし、秋桜を背景に、妹の姿を納めて、双眸を撓め。] ―――…写真映えもしそうじゃないか。 琉璃、一枚撮ってやろうか?[懐から平たいスマートフォンを、手品めいた捌きで取り出し、彼女をモデルにしたてようと、誘いを投げた。]