―仕立て屋から教会への道の途中―
[さて。
今すべきことは2つ。
1つは、シモンさんに会って、エルナさんの所に薪が足りないということを伝えること。
もう1つは、ヤコブさんに会って、依頼していた作業着ができていると伝えること。今依頼するということは恐らく冬用ということだろう。
ヤコブさんはヤコブさんで自力で行くかもしれない。まず探すべきはシモンさん……と思っていたら。]
……あれ。
[向こうから歩いてくる人影に目を瞬かせれば、まさにそのシモンが今目の前から来ているように見えた。>>164
教会に用事でもあったのだろうか。いや、そんなことを考えている場合ではない。]
シモンさん、シモンさん!
[軽く駆け寄って見ればやはり本人で。いつものように軽くおじぎをするが、その態度と口調は僅かに切羽詰まったものを感じさせる]
……大変です。……エルナさんのところに薪が足りません。
あのエルナさん本人から直接聞きました。
[というフリーデルの表情は真剣そのもの。言外に、あの暢気なエルナが言うのだから、本当に足りないのだろうという空気を滲ませて**]