[>>190振り返り、迫る咢門を視界に収めてしまったレオは動けない様子だった。駆ける少女は死に物狂いで彼女の襟元を掴むと、自分ごと床に倒れ込む。牙が鳴る音を頭上で聞き、心臓が凍るような心地を味わう。]レオ、こっちです![まだ安全だと認識するのに十分な距離は取れていない。少女は彼女の手を引いて、まろびそうになりながら逃れようとする。]