― クレレット ―[太陽が山の端へ掛かろうかという頃、クレレットの町に新たな一団が到着した。艶消しの黒に塗られた揃いのプレートメイルに身を包み、酒樽のような全身を覆うほどの丸盾と自身の身長の倍ほどもあるハルバードを携えた、亜人のひと群れ。] 鉄底族が到着したか。 ようやく、だな。[報せを受けた魔王は、即座に彼らを戦列に加えるよう指示を与えた。]