[自分も、あの教会には何度か世話になったことがある。
とはいえ、教会と病院にはできるだけ世話になりたくないものだが]
(場合によっちゃ、解呪のために向こうにいかねぇといけなくなる、か)
[しかし…、
「昨日、リヒャルトもエレの事が好きだったって言ってくれたズラよ……?」
その言葉に、自分でもよくわからない、なんとも言い難い気持ちが沸いてくるのは何故だろうか]
好き、ねぇ……。
俺も恋だとか愛だとかっていうのはよくわかんねぇからなぁ。
ただまあ、あんたのことを嫌ってないのは確かだし、
あの神父もそういう意味では俺と同じなんだろうな。
[しゅん、と不安げに耳が揺れる。
…犬のしっぽみてぇ、なんて場違いな感想を抱きながら]