我が抱きしは嵐の種、竜の心臓、大地の唸り...
[ やがて魔王へと意識を集中したクロートの手にした聖魔剣の輝きに、重ねるように唱え始めた詠唱は、アルフレッドの持つ剣に、数種の属性を持つ魔法の光を同時に纏わせる、その光が聖魔剣と共鳴するように明滅するのは、アルフレッドが正確に聖魔剣の力の流れを読み取り、魔力に反映させているからだ ]
[ 巡る力はクロートの影に重なり、彼が魔王に向けて駆け出すと同時>>141 ]
我が命を楔と為して、我が友を守護せよ!
[ 目の前の空間を切り裂くように一閃した剣から放たれた輝きは、勇者の影に吸い込まれていく。
魔力の足りぬを補うために、自身の命を魔力に変換し、あらゆる属性への守護の力として影に溶け込ませる魔法。
それは聖魔剣の輝きが取り戻され、その力の共鳴を得てから編み出した術で、もちろん、使うのも初めてのものだったが、どうやら成功したようだった ]