ドロシー。
たとえ、お前がそう言えたとしても、ワタシは船長にはならないよ。
他に立たなきゃいけない場所や、託された場所がある。
それに、たぶんお前サンがそう言ったとして、
誰も手を挙げないだろうよ。要は、そういうことさ。
――みんな前のキャップがいなくなって、悲しいし、寂しいんだよ。
女だからって言って、キャップが亡くなったことを認めたくないんだよ。
すぐに収まるとも。タブンネ。
[そう言って、テオドールは肩を竦めて見せて。
だから、頭を下げなくてもいい、と堂々として、納得させてくれればいい、と。
尤も、自分がその部類でないことは口にしなかったけれど。]