人狼物語−薔薇の下国

489 グラムワーグ・サーガ4


告死の影翼 シメオン

 ……っ!?

[投げつけられたサーベルが、蠢く影を貫く。
無形にして有形たるもの、影翼が手繰る事で多様に変質するそれへの干渉が叶う者などない──少なくとも、只人であればあり得ないはず、だった]

 俺の『影』に、干渉した……だと?

[にも関わらず、投げつけられた刃は影を貫き、その場へと縫い留めた。
予想外、否、完全に想定外の事態に反応は遅れ、その間に対する男は身を翻す]

 ちっ!

[舌打ち一つ、振るうのは左の刃。
本来ならばその動作で生じるはずの影の刃は、一片の羽根の如き矢となって駆けるに止まる。

正確な狙いを欠いた一閃は届いたか、否か。
何れにせよ、影はその場に留まり、遠ざかる赤毛を見送った。*]

(194) 2017/11/01(Wed) 23:07:34

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