[マーティンのもとに再集結した傭兵隊の後ろからは、ヒトガタの率いる亜人の一団がついてきていた。
今はこちらに攻撃してくるようなことはないが、場合によってはすぐさま督戦隊に成り代わることは明らかだ。
「川か? 山か?」
マーティンが進路を聞いてきたので、ディークは川を示した。
今から山越えをしていたら夜になる。
川は死者と死者だったものを巻き込んで渦巻いていた。
橋から落されたゴーレムが頭だけ出して立っているのも見受けられる。
それらを橋桁代わりに、先程まで死体搬送に利用していた丸材を随所に架け渡して即席の丸木橋を作り、渡るよう伝える。
川の北岸で上がった炎と煙に両軍の目が惹きつけられている隙を狙うのだ。]