[あからさまな物言いに嫌な顔をすることもなく微笑む青年に、笑みを返し]
骨董品を扱うのか。ああいうのはなんかこう、歳をとった鑑定士のおじいさんが店の奥に座ってるような、そんな勝手なイメージが。
君みたいな若い店員さんもいるんだなあ。
やっぱりちょっと不思議だね、この村。
まあ、夢を叶える場所っていうからには、設えられた舞台であれ、テーマパークであれ、少しばかり浮世離れしてても、まあいいさ。
[鞄を持とうかという申し出に、昨日山道でディーと交わした会話を思い出す。
同じように遠慮しようかとも思ったが、あまり人の好意を拒んでばかりなのもどうかと思ったので。
問題の元を、断つことにした。
骨董品という言葉に、興味を惹かれたせいでもある]
ありがとう。でも大丈夫。
たしかにこいつは重いから……
[ぱちり、と指先で留め金を弾く。がたんと大開きになる蓋]