― 回想:戦場 ―
[向けられた殺気に反応したのは白馬の方が早かった。馬上の主が焦りのままに急がせた馬足が鈍り、ブルル、と不機嫌そうに頭を振る]
どうした?ヒル…
[名を呼ぶ前に、飛来した短剣が光を弾くのが目に入る。>>183選択肢は二つ。馬を盾にして、離脱するか、無理にでも剣を受けて馬を守るか。
どちらが正しいかなど、考える暇はなかった。ただ反射的に、馬首を返し、ツヴァイヘンダーを揮って短剣をどうにか弾く]
ぐぅっ!
[母のかけた術のおかげで、軽く感じるツヴァイヘンダーではあったが、無理な体勢からの動きは当然に身体に負担をかける。腕の筋を痛めたらしい激痛に喉奥から呻きが漏れた*]