― コールドスリープ・ルームE ―[走ってくる途中、紅い狼達の死闘があったことなど露知らず。道中誰かに会ったなら、事のあらましをざっくり説明して先を急ぐ事だろう。不思議と息が上がらないのは、今の自分が電脳幻体《ホログラム》であるからなのだが、そんな事にも気付く余裕はなく。][オーディンに追いついたのは、彼が扉に手をかけた時だったか。銀の狼が吼えると、扉は開き。中に入っていくならば、迷わず踏み込んでいく。*]