― 中庭 ―
[不思議なほど静かだった。
王宮内は緊張で満ちているというのに。
そこだけぽかりと、穴があいたように静かだ。]
………、
[彼は相変わらず片膝をついたまま>>189、けれど苦く笑う表情に、そして紡ぎ出される懐かしい言葉たちに、ウェルシュもまた少しほろ苦い表情で微笑んだ。]
私かい?そうだね、愛している。
私は愛しているよ、
………それが私そのものだから。
[胸に片手を当てて、問いに答える仕草は誓いにも似る。
傍らからの問い>>187、少し遅れてやって来た彼へ視線を流して笑み含んだ表情のまま頷きを返す。]