こないだのアレは気に入って貰えなかったようだからねえ。受け取っておくれ───、君の妻だ。[女は、ゆっくりと歩みながら抱擁を求めるように支えを求めるように、両の腕を彼へ差し伸べている。彼か彼の傍らの副官がそれを脅威と見做せば、女はあっさりと斬られるだろう。ただ、女はその手に何も持ってはいない。魔は、今はもう心底楽しそうな表情で親切めかした口をきき、死した女とヨセフとを眺めていた。*]