[脇を抜けても後ろから斬りかからなかったのは、同士が抱く清廉なる騎士道からではない。狡猾な男の打算であり、彼女を喪う危険を回避したが故だ。] ―――御心のままに。ユーリエ。[ほんの一時、彼女の表情に年相応のものを見た。>>188だが、彼女と己は持つ者。聖の名を背負う間柄。彼女の声に、子供を愛でるように頭を撫でるべき手は持たない。今は、眼前の魔に向かう志を重ね、剣に意識を添わせて銀の魔物を見た。] このレディを誘われては困るんだ。 聖女への不埒は手討ちと捨てさせて貰う。