人狼物語−薔薇の下国

68 Es2nd― 緋の世界に滲む月 ―


伯爵家・次男 フェリクス

「…あ…。」

[ベネディクトは守り刀を取り落とす。
血に塗れたそれは、今手にする事の出来る彼の唯一の武器なのに。
それは湧き上がった殺意の消失を意味していた。]

―っ…、俺が人でなくて良かったですね。

[ 何だ、これは。

   悪夢なのか。

夢ならば早く醒めてくれ。

痛むように斬りつけた場所を押さえる弟を目に収めながら、ベネディクトの頭の中は恐慌状態に陥る。
喘ぐように酸素を求め、やっと紡いだ言葉は。]

「っ…、ば け もの

(192) 2013/10/11(Fri) 18:57:31 (蒼生)

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