[ 彼が酒瓶を片手に、修道院の内庭に出たのは、その真夜中のこと ]
まったく...酷い奴だな、マルコ・クロイツ。
[ 月明かりの下、酒を注いだグラスを、崩れかけた石像の脇に一つ置き、その台座に腰掛けた自分の手にも一つ ]
お前と会ったら、一緒に呑もうと思ってたんだぞ?
そもそも、俺に何かあっても...お前にならタヴィを...後を頼めると、当てにしてたってのに。
[ それこそ勝手な、酷い恨み言だと知りながら、くだまくように言葉を連ね ]
だが、感謝している......良く、オクタヴィアスをここに、送り届けてくれた。
クロイツ.........いずれまた、呑もう。
[ 月明かりの中、グラスの中の琥珀が揺れた** ]