人狼物語−薔薇の下国

489 グラムワーグ・サーガ4


天の子 マレンマ

[黒き帆船から流れ落ちた水は滝となり、箱舟の側面を洗い流していく。
途中で散った雫が陽光を含み、ほんの一時、虹を掛けた。

舳先に横たわる天の子の身体もまた、己の流した血と聖句の変じた糸とによって、小さな繭に包まれつつあった。


蒼穹の眩さに穏やかな影が差し、気配の方へと頭が傾く。
そこに浮かぶ姿を見たか、あるいは視覚以外で感じたか、
唇は幸福の笑みのままにあった。]

(192) 2017/11/05(Sun) 22:01:54

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