[草木を凪ぐような大きな音が響きわたり、対象の動きが止まる。大きな耳で拾った音は、わたしたち人間よりも何倍も大きく聞こえたのかもしれない。音に敵が怯んだ隙に、今度は一斉に弓矢を放つ。巨体に対して、比較的細いと思われる足を狙った。固い表皮に突き立つ矢は多くはなかったけれど、それでも効果はあった。やがて、対象は力尽きたのか、その場で膝を折り、…───遂に大地に斃れた。**]