[領域には生命なき枯木の纏う樹氷もあるが、今少女が辿り着いた場は、生命ある柊の下。
足許より氷に覆われながらも、少女は身を捩りその樹を見上げていた]
[それに思う所でもあるか、心の読めぬ氷神には知る術はない。
ただ、音として発された言葉>>176のみが届く]
そうか。
[呼気に籠る熱すら消えつつあるが、こちらを睨む眼差しは最後まで強さを失わず。
それを氷神は、正面より逸らすことなく受ける]
――望み通りにするのだよ。我が僕。
[意志を確かめ、最後の言葉を待った。
そこに籠もる一片の熱すら、余さず凍り付かすために。
そして眼差しは、罅割れた唇へ移る**]