もう……数千年は前になるのかな。
当時の私は、とある流派で魔術を学んでいた。
今となって思えば、才能はあったんだろう。師匠は少なくともそこは否定しなかったからな。
私は当時、人間には力が足りないと感じた。だから、魔術の智慧をもっと深めるために、誰もが触れなかった領域の研究をしていた。最初のうちは先輩や師匠も、私を応援し、支援してくれていた。
……だが、私の研究が、それまで誰も触れてこなかった死者蘇生魔術の深淵を暴こうとした時、連中は一斉に手のひらを返してきた。同門を含めて魔術に関わる者は誰一人、私とは一切の口を利いてくれなくなったよ。
いやあ、悔しかったさ。憎かったさ。仲間のために新たな力を得ようとしていただけなのに。それをどうして放逐するのかとね。
ましてや、魔物に侵略を受けているというのに、だ。力こそが必要なことくらい、誰にでもわかろうに。
そして私は、当時魔人であったギィ様に拾われることになったわけだが……
まあ、これだけ話せば、ひとまず十分だろう。
[昔話をざっくりと終えて。
さて、エトヴァルトの目を見て、目線は僅かに検分するような色を帯びて]