[聞こえてきた腹の虫の声に、思わずぷふっと吹き出した。
あの頃より大人びて見えても、笑顔はやっぱり昔を思わせるもので]
っはは、まずは腹ごしらえと行こうか。
疲れてるんなら、猶更美味いモノでも食べてからだ。
うん、酒でも飲んでゆっくり話をしたいけど、
先に屋台だのお化け屋敷だの、そっちかな。
[ここの屋台行けるぞー、と、手にしていた食べ物を掲げてみせて、
彼が元々この村に所縁があるということは知らずに、紹介する口ぶりで屋台を指す。
さて、もうしばらくすれば、お化け屋敷も入場の時間だろうか。
もしニコラスが其方に向かうようなら、食べ歩きがてら同行を申し出ただろうし、
何か他にすることや話す人があるなら、ひとまず別れて先に行くこともあったかもしれない。
人の流れの中を漫ろ歩きながら、話に花を咲かせていただろう。]**