[ 懐かしさと同時に感じる
胸の奥の鈍い痛みに知らない振りをしながら
"彼女"のことも知らない振りを貫くと学者は心中で決めた。
話題が変わりそうになれば>>153寧ろ進んで変えただろう。 ]
……お偉方の相手は疲れるから。
それに、この船は僕の兄が死んだ場所でもあるからね。
嫌なんだ、兄の墓場に連れ込まれたみたいで。
チグリスまでの道のりが憂鬱で仕方ないよ。
[ 『嫌々』の理由を全ては言わず、
兄が以前に死んだという事実を伝えた。
それでカレルが納得したかどうか確認する暇はなかった。
顔見知りに声を掛けられた流れで、話が中断してしまった為に。 ]