[ベッドを図々しくも占領する前のことだ。
しみじみとライターについて語る男へ>>180双眸を眇めて
ダーフィトはふぅん、と声を出した。]
永遠に姿を変えず存在し続けるものなんてないってな。
形は残っていようと、壊れちまえば元には戻らない。
消耗品の末路なんてそんなもんだ。
替えの効かないものだからこそ大事にするんだろ。
それでも壊れっちまったならそのときは――、
[一旦言葉を切って、考え込むように、黙る。
続きに繋げたのは対して間のない数秒後。]
…休ませてやるしかないんだろうな。
感謝の気持ちでも伝えて。
[譲り受けたとか、そう言った話を聞いたことはないが
壊れかけた銀色のライターを使い続けるには何か意味が
あるんだろうと、何とはなしに思ってはいたが、
ダーフィトの方からそれを聞き糺すことはしなかった。]