『……我が眷属の力を受け、されど、それに飲まれず退けしもの』
『……汝に、狂いし力の一端を託す』
て、ちょ。
[やっぱり言ったー! なんて思ったのは赦されろ。
なんて突っ込みを入れる間もなく、声は続く]
『……無垢なる力より生じし新たな眷属を』
『……海原にて導となるものを』
『……迷いなき地のいとし子に、託す』
[一方的な言葉と共に、蒼い光が形を変えていく。
やがて現れたのは、先ほどまで相対していた龍を物凄くものすごく──肩乗りサイズまで縮めたもの。
変化が終わると同時に、声も途切れて。
白狼児は、球形の結界の中で、ため息をついた]