… いえ、
[ただ、追わせてみますか。と確認の形を取りかけた言葉は、途中で切られる。赤い通信石から伝わった声を思う。不明領ながら、ノトカー・ラムラスドルフの声として、伝わってきた声が語っていた夢の内容は──随分と、]
ギリアン・ラムスドルフの足取りを辿るよう
情報局に通達を入れておきます。
さしあたり、ラウツェニング家の出入りは洗っておくべきかと。
[優しいばかりの夢だったからか。ゆるく息を吐き、]
シロウ・ファーイーストの件も含めて公国警備がざるだとあちらに伝わるようでは問題でしょう。
ラウツェニング家の近くに、帝国の間諜"かもしれない"男がうろちょろしていたなどと、不穏の種を残しておく必要もない。
[俺らが此処を離れるわけにはいきませんが。とは付け加えつつも通信機の入手経路の確認と、ギリアン・ラムスドルフのその後を追わせるように書類を手配する胸を伝える*。]