ならず者 ディーター

［ジムゾンがオットーの様子に気が付いて>>147、声をかけた。

具合でも悪いのか？と言ったジムゾンに、自然とそちらへ目を向ける。
──酷く、眠そうだ、そう認識した瞬間、先程まで平然としていたディーターの表情が、サッと青くなった。

過剰摂取をすると毒になる──しかし、本来の用途は眠り薬だ。
──待て。まさか。

　　　　　　　食　べ　た　の　か　？

思案するように口元を覆う。
頭が混乱し始めているのを、どこか他人事のように感じていた。
どう処理していいのかわからない。元々、金狼様は狼だと言うことしかわかっていない。供物を捧げて、人間を食べない様にしてもらった可能性だって、ないわけじゃないだろう。

誰も気づかないでくれ、と自分が先ほどした説明を後悔しながら、他の面々の顔色を窺うように視線を周囲へ走らせた。］