けれども、困ったね。
僕は君の全てを受け入れられそうにない。
[髪を1つ掻き上げる。
ああ、残念だ。両の手を広げた。
そして真っ直ぐニコラスに視線を向けた。]
僕も皆が大好きだ。僕は全てを愛して生きたかった。
[その言葉は誑かすための虚構か、それとも。]
ニコラスは人なのかも知れない。
いや、人であるのなら。人であるからこそ。
全てを信じたくともたった一つしか真実はない。真っ先に信じたいとは思えないんだ。
[ハーメルンの笛吹きが、笛を吹いた。]
僕には、ニコラスがパメラを殺した。
その事実だけが見えている。