人狼物語−薔薇の下国

297 吸血鬼の脱出ゲーム


兎 ツェーザル

[待って、という単語にひゅうひゅうと喉が鳴る。
少女の背中を向ける動作で喉が見えなくなり、深紅の瞳をぱちぱちと瞬いた]

 うぅ、 ウ?

[僅かに広がった視野、動くもう一つの影を認識した時には
顎を掴まれていた]

 ……!


[小瓶の中身はわかっていたのだから、そのままでもいいはずだった。
でもそうしたらジャンを助けられなくなる、とか、今この口へ薔薇の雫を注ごうとしているのがジャンだ、とか
一切の思考は回らない。

ただ、兎は何かされる、という理解だけで、防衛の本能へ任せて身を捩る]

 んン!

[束ねられたままの両手を撥ね上げた。顎を掴む、ナニカを口に押し込む、その腕を弾こうとして]

(191) 2015/02/01(Sun) 15:33:43

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