『……なんでもなにもなくてね。 この先の空間が不安定になってるから、誰も通すわけには行かない。 それだけ』 それだけって……そう言われて、はいそうですか、って帰れるわけない! 『うん、そうだろうけど、こっちも譲れないわけで……』[淡々と告げた後、妖白狼が咆哮する。ゆらり、空間が揺らぎ、影のようなものが滲み出た] これ、は……さっきのと、ちょっと違う?[影である事に変わりはないようだが、姿かたちがさっきと違う。二足歩行の小鬼のようなそれらは、きいい、と甲高い声を上げた]