[いよいよため息でも吐きたくなってきたその時だったか。
例えるなれば転鈴の、それこそ澱んだ空気を裂きでもしそうな若い声が聞こえたのは。
─ 回想/白翼と黄金と ─
思わず総勢はそちらを見遣っただろう。>>154
商人が、馬鹿にするではないが、何を言っているんだと言わんばかりの目線を向けたのに、全く臆せず凛として見える。
そんな様子を見ていた俺は、思わず吹き出した。]
…… っくふ、 あっはは、
貴公は雷帝の生まれ替わりかもな。
何より、白隼は王貴族にしか献上されない。
[遠い昔、金貨10万を拒否して白隼12頭を要求した王があったと言う。
それを思い出して擬えてみて、機嫌がよくなったものだから、あまり詮索しなかったのだ。]