―第二エリア―
[ハダリーを見送って、赤毛の女性に向き直る。]
[草原で歌うと聞いて、声がが広大な土地に響き、風に乗って広がってゆく様子を想像した。そこにピアノが加わったなら、どんな音色になるのだろう。
ザァッ……と風が曲調に強弱をつけ、穏やかでゆったりとしながらも、反響音のない無限の響き。
……想像するだけで気持ちよさそうだ。
思わず、うっとりと想像の世界に入りそうになったが、彼女の目があるので自重する。]
わがまま言って、ピアノを自室に入れてもらったので、ぜひ。
[本当に子供の我儘に近いものだったので、思い返すと少し恥ずかしいが、それを隠してにっこりと笑ってそう言う。
"ぴあの?"と少し不思議そうな顔をしたので>>165、ピアノという楽器について簡単に説明した。
思っていた楽器とは違ったのか、目を瞬かせる女性を微笑ましく思いながら、弾いてみることも出来ますからね?と、伝えた。
他に簡単に演奏できる楽器はあったかな……と思考を一巡させながら自己紹介。]
僕はトールです。
ここで会えたのも何かのご縁。
よろしくお願いします、サシャさん。