[世の春を願えと身を供物に育てられた聖女に対し、己は所詮、聖将の仮面を被る冷徹な統帥者である。蝶よ花よ春よと唱えたところで、四季が止まった試しは無い。現実主義に偏る男は、彼女の小さな相槌に頷いた。>>185] 君に突撃を命じる心算は無いがね。 まぁ、彼等も女の子に遅れを取ると言うのは、 格好が付かないから丁度良いだろう。 ―――…君は何を盾にすべきか、何を成すべきか。 それを弁えていれば、自ずと光も差すだろうさ。