―― 医務室 ――
[カークとはそれから話をすることがあったかどうか、義肢の調整と肩の手当てを頼み、ついでに寝る場所も借りようと頼んだのだったか。
寝台に身を横たえ、漸く眠れるかと目を閉じかけたところで、茶色の毛玉の姿が枕元にいきなり現れた。>>157
驚きのあまりぎゃっと声を上げ、咄嗟に体を遠ざける。
しかし、
“生きた動物らしさ”に徹底的に拘りぬいて造られたようにも見える、こちらが呼びつけなければ何もしないその兎が、
なんの前触れもなく、唐突に現れた――…
何故か、すっと、背筋に冷たいものが走る。
そうして、その兎が語った言葉は]
………ベルティルデ?