[クロイツが中に入った部屋はどうなっていただろうか。部屋の扉はしっかりと閉じて、容易く侵入を出来ないように机で塞ぐ。その前に滑り込もうとする人がいたなら、か弱い女性であれば受け入れただろう。扉に鍵はなかった。それ程重量のない机だ。外から衝撃を受ければ、突破出来てしまう弱いバリケード。それは施した中からも同様。エレオノーレの白い背中に出来た傷に眉を寄せる。そうして黙って手当を始めた。*]