……獣の血で、何とかなるなら、吸血鬼が人を襲う伝承なんて残る筈ないじゃないか。
[ぽつり、呟き零すが、>>171遠くなった背中にはもう届かない。けれど自分に気付けることを、彼が気付かない筈がない。それでも、この血を欲してはくれないなんて…]
…残酷なひと、貴方にこそ傷つけられたいのに。
[ふ、と笑おうとして吐き出した呼気は失敗して、落胆した溜息の侭に。さて、何をすれば良いんだったか、ぼんやり曖昧な記憶を辿る]
城に戻って、先生の部屋の、冷蔵庫の血を飲む。
信じるのは、ジェフロイと、ディーク…
あとは…、……また着替えなきゃ、かな。
[おつかいの内容を思い返す様に、指折り数えながら確認して、…けれど立ち上がる気が起きなくて、もう暫く、ぼんやり座り込んでいようか。目を閉じて、自身のイドを意識で辿る。聞き逃した情報を確認し]
鑑定士…、か。名乗り出ない方が、良い気がするけど。