[ひゅ、と笛の鳴るような音が喉から零れた。驚愕の余り、身動き一つ出来ない。――ぐい、と。襟元を掴まれ、激しい勢いで引き倒された>>186その次の瞬間。小さな身体が立っていた空間を、がちり、牙を鳴らしながら、死の顎が通り抜けていく]