− トルーン方面 −>>186[ トルーンで上陸した部隊は北上して、王国軍と闘うべく拠点を出たゼファーの背後を襲う予定だったが、その行く手に待ち受けていたのは、鉄の獣だった。見える武器の数からも、明らかに自分たちより寡兵である。密集しているからより小規模にも見える。だが、その威たるや、これまで経験したことのないものであった。呼吸、あるいは鼓動すらひとつなのではないかと思うほど、隙がない。試し打ちのように投石が散発的に降り注ぐが、鉄の盾は崩れるまいと思われた。]