― ベルサリス学館・回想 ―
っ、痛ッ!!
[>>113 悲鳴にならない悲鳴をあげて、大の字になる。夕日が橙色にシュビドの空を染め上げていき、学館を燃え上がらせる。芝生の上、空を飛ぶアゲハチョウを目で追いかけ、]
はぁ、……あ、ありがとうございました………
っふふ、お強いですね…… 当たり前、ですか。
[暫くはそうして満身創痍の身体を芝生の上で横たえている。きっと、同僚は呆れ顔になっているかもしれない。良い年した大人、しかも教える立場の者が子供じみた事をしているのだから。]
―――……マーティン。
貴方は、どうして強くなろうと思いましたか?
[そんな事を尋ねてみやる。彼は果たしてその時、なんて答えただろう。その返答は自分の心のなかで噛み砕き。そして、]
この国は、強さなんて必要でしょうか。争いなんて、全て姫王の悠久の祈りによって作られた障壁があるから無用なのに。
穢れがあるからこそ―――……無益な血を生むのです。*