―昔話―
[告解を聞いてつい辛辣な言葉を投げた後、泣き崩れるシモン>>180を憮然とした顔でただ見ていた覚えがある。
特にフォローしたりはしなかったから、シモンがどう受け止めたのかはよく分からない。
その日以降もシモンとは何事もなく友人として付き合い続けてはいるが、何となく自分からその話題には触れないままだった。]
[村を出る前。友人たちがどこまで気づいていたかは分からないが、元々彼らが戦争に行くということ自体、あまり気に入らなかったのだった。
双方が負傷して帰り、二人が疎遠になってからはますますその思いが強まった。]
(―――お前らはなんで、)
[何度も何度も胸の中に浮かんだ言葉。それを口にしたことは、まだ、無い。*]