― 図書館内 ―[クララには風邪を引くから。そう促した反面、自分の体調は全く気遣わない。生まれてこの方寝込んだことはほぼない、丈夫すぎるほど丈夫な故であったが、面と向って”馬鹿は云々”と言われたとしても、無言でにへっと笑うだけに留めるだろう。] ん、ありがとー。 でもなんで損なの? 僕、クララさんに心配してもらえて嬉しいけど?[勧められた椅子に礼を言って腰を下ろしたあと、クララの背中に真顔で声をかけた。もちろん本気で言っている。]