さて、まずは玄関からお邪魔しなかった不作法を謝罪しましょうか?
それとも、改めて“お邪魔します”と申し上げますか?
[彼らを煽るように言いながら、ヴァイオリンを高らかと歌わせる。
応じて吠えた水の竜が、背の翼をバサリと羽ばたかせて浮き上がった。
家主たるカスパルへと狙いを定め、壁の穴から弾丸のように一直線に飛行する。
入れ替わるように駆けてくるのは、包丁を逆手に握ったシェイの姿>>183
こちらの魔法の行使中は、セルウィンは回避行動はとれない。
だから、カスパルへの攻撃に全意識を集中させる。
あぎとを開き、鋭い牙でカスパルの腕を食いちぎらんとする竜の攻撃が先か。
それとも、シェイが逆手に握った包丁がセルウィンを斬りつけたのが先か]