― 氷竜軍・後退位置 ―
私、変なこと言いました?
[ファミルに驚かれてしまって、きょとんと目を瞬いた。>>156
記憶のない自分にとって「今の時間」はとても大切なもの。思い出が少ない分、今いる人の役に立ちたいという思いは強い。
だからこそ、トルメンタと通じ合えたからばかりではなく、騎竜師としての修行も積んだのだから。
その根底には、未だ果たせていない約束と、「家族」の役に立てるようになりたいという幼い頃そのままの気持ちもあったりはするけれど。それは意識の外のこと]
よかった。
じゃあ、私、お水貰ってきます。
[心配するなと言われ、もう一度こっくり頷くと補給を受けにその場から立ち去った。>>157
外で休む時は必ずトルメンタの傍にいた。緊急時に即動けるようにするためでもあり、心落ち着く場所でもある。
この時も、トルメンタ用の水を分けてもらった後は氷竜の隣に座っていた]