[どうしようもなく、消えてしまいたくて。呼吸するのさえ、苦しくてたまらなくて。ただただ、心臓から透明な血を流すことしかできなかったあの時、その指先は、たしかにひとつの救いのようで…。警備員に見つかりそうになり、このままだと、彼女のお店にも迷惑をかける可能性に思い当って。『ごめんなさい…』と、諦めきった眼差しで店を出ようとした少女に、彼女はたしか、一輪の花をくれたのだったか。]