― 少し前・斥候兵待機所の外 ―>>97あぁ…あの子、まだ現役だしな………[ノトカーの愛馬を思い出す。優美、たおやかといった白毛馬の印象を覆すような筋肉質で力強い曲者馬。 能力は優れているのだが、とにかく人を選び…馬術が下手ではないはずのユーリエがことごとく振り落されては馬と一触即発になっていた。「主人にしか懐かない馬はいるものだから、仕方ないよ」と慰めた瞬間、背後から鼻づらをすりよせられた上に首筋をべろんと舐められ、ものすごく気まずい思いをしたことも、ついでに記憶に蘇った。]