あと二つも関門があるだと?まったく、こちらも面倒極まりないな。
[ カークの続けた話には、顔を顰めたが、そこに拒否権が無いことは理解出来ていた。彼の言う、二人だけでは無理、という意味も ]
ふむ...確かに、いかにトールが手練でも、二人だけの力で押し通れるというものでもなさそうだ。
[ ちらと、視線を向ければ、そのトールは先刻の弩を預けた娘から受け取った所のようだった。
彼が近衛となるを誓いながら、自らの傍にべったりとは守りにつかぬのは予想の内だった。むしろ、そうであろうと期待したからこそ任じたとも言える。
最も鋭き刃となると誓ったあの男は、己の剣が鋭さを失わぬ限り、その腕の届かぬ場所へこそ力を揮う文字通りの片腕となるだろう ]